スポーツにおける腹圧性尿失禁(いわゆる尿モレ)

尿モレ・尿失禁ケア産後骨盤ケア

7/10/2025

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尿失禁(にょうしっきん)とは、尿道から尿が意図せず、あるいは無意識のうちに漏れてしまうことをいいます。尿失禁にはいくつか種類があり、たとえば神経疾患や糖尿病、アルツハイマー病などによるものもあれば、骨盤底筋(会陰部の筋肉)がうまく使えないことや、出産、閉経などが影響するものもあります。

今回の記事では、『スポーツ中に起こる腹圧性尿失禁(Stress Urinary Incontinence, SUI)』についてご紹介します。

今月のテーマ:スポーツにおける腹圧性尿失禁(いわゆる尿モレ)です

腹圧性尿失禁とは?

腹圧性尿失禁とは、咳やくしゃみ、笑う、ジャンプする、物を持ち上げるなど、お腹に力が入る動作をしたときに尿が漏れてしまう状態をいいます。このタイプの尿失禁は非常に多く、40歳以上の女性の少なくとも約40%が悩んでいるとされます。特に経腟分娩(自然分娩)を経験した女性では、その割合が60%にも及ぶという報告があります。

これは妊娠や出産(特に会陰切開や会陰裂傷を伴う場合)によって、骨盤底筋が大きく損傷を受けるためです。骨盤底筋は尿やガス、便をコントロールする上で重要な働きを担っていますが、ダメージを受けると十分に機能しなくなってしまいます。

そのため、産後は傷跡の組織の緊張を深く緩めることができる施術者にケアしてもらい、骨盤底筋をしっかりとコントロールできるよう再学習させることがとても大切です。

残念ながら、日本ではおそらく尿失禁に悩んでいる数多くの女性に対して、こうした有用なケアやリハビリを提供できる場所は身近にはそう多くはありません。この課題に取り組むためにも、ひなたレディースケアは、女性たちに向けて有用なサポートとケアプログラムを届けられるよう活動を始めました。

咳やくしゃみで尿漏れが起きる女性と、外出先で尿漏れに困っている女性のイラスト。
咳やくしゃみで尿漏れが起きる女性と、外出先で尿漏れに困っている女性のイラスト。

スポーツの種類と尿失禁の関連とは

多くの方にとって、尿失禁の悩みはある程度、対処可能なこともありますが、スポーツをする女性にとっては深刻な問題になることがあります。

特にジャンプや重いものを持ち上げる、瞬間的に大きな力を出す動きが多い競技では、尿漏れのリスクが高まります。

2018年の研究では、クロスフィット、トランポリン、バレーボールを行う女性の75%以上が尿漏れを経験している一方、サイクリング、ピラティス、ハイキングでは10%以下と大きな差があることが示されました。

さらに、実際にはこうした尿漏れリスクの高いスポーツをやめた女性も多くいると考えられ、そうした要因を含めると割合はさらに高い可能性もあります。なお、これらの調査はブラジルやヨーロッパの女性を対象に行われており、これらの地域では日本に比べて骨盤底筋リハビリがより普及しています。

今の状態を良くするためにできること

尿失禁に悩んでいる場合は、単に骨盤底筋を鍛えるだけではなく、必要なときに正しく、十分な力で筋肉を収縮できるようにコントロールできることから始め、さらに腹筋や横隔膜とも連携させて使えるようになることが大切になってきます。こうしたコンディショニングは、経験豊富な専門家のサポートのもとでプログラムを進めることがとても重要になってきます。

ひなたレディースケアでは、女性が心身ともに健康に暮らし、好きなことを思いきり楽しめるようサポートしていきます。お一人で悩まず、私達にぜひご相談ください。

それではまた来月の記事をお楽しみに。